報酬系とはその名のとおり何らかの成果がえられたときに快楽という「報酬」が得られる仕組みを担う神経系だ.この快楽としての「報酬」が,現実世界の給与とかの報酬に直結していれ人は幸福だ.「報酬」を得るために切磋琢磨する過程で成長していくことができる.不幸な人はこの「報酬」を例えば麻薬で補ってしまう人だと思う.本来努力しなければ手に入らない報酬を得るという感覚を薬物で簡単に与えてしまったら目的意識が薬物を得ることにむかってしまう.最近といっても5年近く前の記事で,いわゆる自慰行為も麻薬に匹敵する効能があるらしいそうだ*1

「他の依存症とは異なり、ポルノは最も効果的な依存性物質を直接体内に発生させる。つまり、ポルノは自慰行為を誘発し、それによりオピオイド[アヘンに似た作用を持つ物質]の自然分泌をもたらす。

ところで,ネット上で禁欲によって男性ホルモンが減少するという情報,またそれに対してしてもしなくても大して変わらないという意見,ともに見受けられるけど実際のところはどうなのか.
鎮痛剤としての麻薬に関する記事だが,米国国立がん研究所のウェブサイトによると,動物実験ではオピオイドの投与がテストステロンレベルを低下させることが分かっていて,人間にもその兆候が見られるらしい.ヘロイン中毒の治療に使われるオピオイド系の治療薬であるメタドンの使用者にも性欲減退が見られるという*2.(日本語訳されたサイトがあったがそこに日本語版は禁無断転載と書かれていたので原文の参照).テストステロンレベルが下がると性欲減退が起こる.
前述の自慰行為によって脳内でオピオイドが分泌されるという情報が正しければそれによって血中テストステロンレベルはむしろ下がる可能性が高い.すなわち,禁欲している状態の方がテストステロン値は高く維持されることになると思う.
米国では男性ホルモンの一種であるテストステロンがうつ病の治療薬として処方される事があるそうだ.やる気を亢進する作用があるホルモンと解釈できる.「報酬」がなければ意欲がでるようになってるらしい.
因みに,憶測レベルの情報として,テストステロンレベルが低下すると5alpha-reductaseという酵素で活性化された