革製品の手入れというのは意外と楽しい.耐用年数が長く,手入れや使用状態で風合いが変わる.殊靴に関しては自分の足に合ってくる.自分の生き様(というのは大袈裟だけど)を刻みつけ,忙中に閑,ふと履き古されたブーツに目をやり,買ったばかりの時から記憶をたどりつつ愁然と変化を思う.また一つ深みが出た,と.ステッチのほつれを見てしみじみと考える.修理したらいくらかかるのか,と.
革について書いたけれど,長持ちするものを手入れしながら大事に使いつづけるというのは満足感とでもいうか,充実感がある.